K-supportを知ってますか?

昨今、医療の質を高めるツールとして遠隔診断支援システムが注目されています。

2013年2月に徳島県と徳島大学病院、徳島大学が協力して、FUJIFILMが開発したスマートフォンアプリである遠隔診断画像診断治療補助システムSYNAPSE ERmを用いて、海部病院遠隔診療支援システム(K-support)を日本で初めて導入しました。

K-supportは海部病院もスマートフォンやタブレット端末に、病院内で撮影したCT、MRI、Xp、ECGなどの画像をリアルタイムに転送するシステムです。

スマートフォンを用いた新しい医療ネットワークのシステムであり、診断・治療のためにCTMRIなどの画像情報や患者情報をリアルタイムに関係する医療スタッフに提供できます。すなわち、病院の中・外を問わずに必要な情報を得ることができ、それに対して適切な指示・アドバイスを現場に送ることができます。

従来であれば、専門医あるいは上級医のアドバイスを求めるときには夜間などの時間外では、わざわざ病院に駆けつけないといけなかったが、このシステムを利用すれば病院外でも、病院内で画像を参照するのと遜色なく閲覧可能です。

実際のスマートフォン、タブレット端末で表示される画像です。患者さんの情報、画像を総合診療医が専門医(この画像では脳神経外科医)にコンサルトし、指示を仰ぐことができます。これが院内院外にかかわらず、電波が届くところであれば専門医がどこにいても相談することができます。

実際使ってみて、総合診療医、非専門医の救急業務の心理的負担を軽減するだけでなく、患者さんへの適切な医療、また救急体制のレベルアップにもつながっていると実感しています。また専門医からのフィードバックを得ることで研修医だけでなく、私たちスタッフに対しても生涯教育となります。これは病院全体の質の向上にもつながっています。

2013年2月から2013年6月まで5ヶ月の間に当院に救急搬送された患者さんの内訳は以下の通りです。高次機能病院への搬送をした方がいいのか悩む症例や緊急を要する症例が多い印象でした。